大蛇が祭ってあるといわれる赤池神社は串間市大束の塗木(ぬるぎ)というところにある。
神社の近くに池があり、その水は赤い色をしているので「赤池」と呼ばれ、大蛇が棲むといわれていた。
昔、材木流しをしていた樵(きこり)が、誤って自分が履いていた草履(ぞうり)を池の中に落としてしまった。
とたんに、ゴーゴーと百雷が一度に落ちるような大音が轟きはじめ、それは七日七夜のあいだ続いた。
やっと八日目になって音が鳴りやんだので、村人達は恐るおそる池を見に行った。
すると、それまで池のあったところは岡になっており、赤池は川のむかい側に移っていたので、みんな大いに驚いた。
村人達は、きっとこれは池の主の怒りであろうと思い、みんなで相談をして池のほとりに社(やしろ)を建てて祭った。
この赤池神社に祭られている神様は雨の神様である。
塗木には、昔、法力の強い山法師がいて、長く日照りが続いて、田や畑の作物に被害が出て困っているときなどには山法師はこの神社にお参りして雨を乞うた。
山法師が「すぐに雨を降らしてください」とか「私が家に帰り着いたら雨を降らしてください」、などと祈ると、たちまち空が曇り、雨が降ったり、暴風雨になったりして、雨乞いは山法師の方力のままになったという。
あるとき山法師は赤池の主のお姿を見たいと思った。
そして、池のそばで「お姿を拝ませてください」と祈った。
すると、小さい木の葉がクルクル回りながら池の真ん中に浮かんできた。
山法師はさらに「ご本体を拝ませてください」と言った。
すると今度は小さい蛇が現れて頭をクルクル回した。
山法師はそれでも足りずになお祈っていると、荒々しい鳴動とともに池の水が盛り上がり大蛇が姿を現した。
そして火炎のような舌を出して鋭い眼光を放ち山法師を睨みつけた。
山法師はお姿を見るのもかなわないほどの恐怖を覚え、命からがら逃げ帰ったが、家族のものに今あったことの一部始終を話し終えるとすぐに息絶えたという。
昔、赤池神社には日照りが続く年などは志布志や北郷あたりからも雨乞いのために参拝に来たという。
また、大束の中河内(なかかわち)方面から雨乞いは、蓑笠(みのかさ)をつけ、藁草履(わらぞうり)を持ち、鉦(かね)や太鼓を打ち鳴らしながら山越えをしてお参りし、神社に着くと神前にその藁草履を供えて雨乞いをしたという。
雨乞いの祈願の供物は、樵が落とした藁草履であったというのだ。
この伝説の池は埋め立てられてキャンプ場になった。
赤池神社は川の近くに遷宮された。
今でも「キャンプ場で大騒ぎをすると雨が降る」、と地元の人は言っている。
串間市観光協会赤池事業所のブログ
赤池渓谷
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