【のべおか天下一薪能】
1993(平成5)年、延岡市は市政60周年を記念して、内藤家17代当主、故内藤政道氏から能・狂言面を含む内藤家歴代当主ゆかりの貴重な品々の寄贈を受けた。
内藤家は三河以来、代々徳川家に仕えた譜代大名で、1747(延享4)年、陸奥国磐城平藩(現在の福島県いわき市)より日向国延岡藩7万石に転封となり、明治にいたった。
内藤記念館では、1995(平成7)年に特別展示として「内藤家伝来の能面」を開催し、また、同年、国立能楽堂において、特別展として「延岡・内藤家旧蔵の能面」が開催され、大きな反響を呼んだ。
このことから、貴重な歴史的文化遺産の活用を図るため、図録を作成した。
内藤家伝来の能面の特徴は、桃山時代末期から江戸時代初期にかけての時期に「天下一」の称号を受けた能面作家の焼印を持つ作品が30点含まれていることにある。
江戸時代には、将軍家をはじめ、各大名は能を厚く保護していたため、大名家には能面・装束類など能道具が数多く収集されていたが、明治期に経済的な理由から多くの旧大名家はこれらを手放すことを余儀なくされた。
が、そういう状況にあって内藤家が所蔵していた能道具の類はその難を免れて現在に至った。
延岡市では、この貴重な文化財を活用するために人間国宝片山九郎右衛門氏らの賛同を得て1997(平成9)年から毎年10月の第2土曜日に城山公園の二の丸広場、“千人殺し”の石垣を背景に「のべおか天下一薪能」が開かれるようになった。
公演当日は全国各地から2,000人を超す人々が訪れ、篝火に映し出された幽玄の世界を愉しむ。
「のべおか天下一薪能」は今や延岡の秋を代表する風物詩となった。
主催は、延岡市と「NPO法人のべおか天下一市民交流機構」で、多くの市民の参加を呼びかけながら準備から運営までを行なっている。
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