日南市指定文化財(平成11年8月19日指定) 旧山本猪平家
この建物は、飫肥の豪商であった山本猪平が1907(明治40)年頃に建築した商家の本宅である。
敷地面積1100㎡の中に、主屋、離れ屋、台所、浴室、便所等がほぼ建築当初のまま保存されており、飫肥本町の商人本宅を現代に伝える遺構として貴重である。
屋敷地は、大手門通りに面して高い塀と門を構えている。
門の西側は部屋と収納庫になっており、主屋と奥座敷、離れ、台所、浴室、便所とが、2つの庭を囲むように有機的につながり、当時の町屋の配置計画をよく示している。
このうち主屋は、入口に格子戸を設けて数奇屋風の天井をもつ通り土間を通って玄関に至る。
通り土間の西側には収納庫を設けている。
主屋は、座敷の10畳に次の間の10畳が並び、その奥が居住の場所となっている。
奥座敷は、1927(昭和2)年に山本猪平が隠居したのに伴い、1929(昭和4)年に増築された。
本来、奥座敷便所の東隣は隠居の出入口になっていたとみられる。
また、屋敷地内の通路や床下土間に陶磁器のタイルを使用しており、当時の流行の一端を知ることができる。
なお、この屋敷地の南半分は、もともと町役人であった小村寿太郎の父親である小村寛の屋敷地であった。
小村寛が飫肥商社事件で没落したために、山本猪平が買収してこの建物を建てた。
山本家には、この建物は小村寿太郎が飫肥に帰って来た時のために建てたという言い伝えが残されている。
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